NEWS お知らせ
震災後初の国会審議。ー私が経験した能登半島地震ー
1月24日(水)
この日、能登半島地震後、はじめてとなる国会審議が行われました。
能登半島地震をテーマとした予算委員会の集中審議。
多くの皆さんが注目する中での国会となりました。
そのときの審議を、私自身でまとめた文章があります。
ここでは、その文章を紹介して、国会審議の記録に代えたいと思います。
●本日24日、能登半島地震への対応をテーマに、予算委員会の集中審議が行われました。1月1日の発災以降では、初の国会審議となります。
●被災地である能登半島からは、石川3区から選出の近藤和也衆院議員が質疑に立ちました。
●近藤代議士は、震災当日、自身も穴水町で被災をしています。
その際の経験も含め、能登の皆さんの声を国政の場に届けるべく、これまで被災地を回ってきました。
●ぜひ能登の皆さんに、今日の国会審議の内容を知っていただきたいと思いましたので、以下、ご紹介させていただきます。
目次
- ①断水の解消について
- ②被災者生活再建支援制度について
- ③仮設住宅について
- ④棚田・漁業の再生
- ⑤なりわい再建支援事業について
①断水の解消について
◯近藤代議士
・石川県では、各地で断水が2ヶ月近く長期化する見込み。特に、県水を使う七尾市の一部地域では、復旧が4月以降になると言われている。
・避難者の痛切なニーズの一つが「水道の復旧」である。水が使えず、厳しい状況が続けば、地域の暮らしや生業が成り立たなくなる。
・奥能登のインフラ整備を早めるためにも、拠点としての七尾の復旧が急務である。
⇒なんとか被災地の皆さんに希望を持ってもらえるよう、「年度内」の3月中に復旧を早めるというご答弁をいただけないか。
◯岸田総理
・「年度内になんとか」という思い受け止める。国からの支援で、前倒しの可能性を追求していかなければいけない。
・現在、全国の水道事業者を被災地に集めている。水道施設の補助率のかさ上げを前倒しする形で、財政面からも支援したい。
②被災者生活再建支援制度について
◯近藤代議士
・被災者生活再建支援制度では、全壊世帯などを対象に最大「300万円」の支援金が支給される。
・残念ながら、これでは生活の再建には不足がある。家を立て直すことも、車を買うことも難しい。
⇒今回、立憲民主党・国民民主党・日本維新の会の3党が、支給額の最大「600万円」への引き上げや、対象者の拡充を求める法案の共同提出について合意した。政府・与党としても、こうした見直しをぜひ検討・実現してほしい。
◯岸田総理
・問題意識は共有する。能登の実情に合わせて、追加的な支援を総合的に検討したい。
・一方、保険や共済などへの加入も重要である。支援金は、財産の補填が目的ではなく、被災者を側面的に支援するもの。過去の事例との公平性も考慮したい。
・被災者の生活支援は、住宅融資や税制の優遇など、その他の制度との組み合わせで考える必要がある。そうした観点から総合的に方策を考える。
◯近藤代議士
・支援金は元々、生活支援の仕組みのはず。地方では、車とは生活そのもの。しっかり位置づけしてほしい。
・被災された方に、保険だとか、共済だとかいうのは酷な言葉。
・融資も同じ。70代、80代、90代の方がお金を借りて返せますか?
・何とか被災者の方に思いを寄せてほしい。
③仮設住宅について
◯近藤代議士
・県は、3月末までに仮設住宅(みなし・公営住宅含む)約1万3000戸の供給を見込んでいる。
・内訳として、被災地の応急仮設住宅で約3000戸の着工(供給は1300戸)。賃貸型のみなし仮設が約3800戸。最も多いのが県外の公営住宅で約8000戸。
・一方、応急仮設住宅の申し込みは、現時点ですでに6000戸近くになっている。現状、全く足りない。
⇒なるべく自宅近くに住みたいと思うのは自然なこと。コミュニティの維持もしたい。
なんとかして、希望者が入居できるだけの応急仮設住宅を用意できないか。ふるさとに帰れるようにしてほしい。
◯岸田総理
・石川県の馳知事が「応急仮設住宅への入居を希望する全ての方に、応急仮設住宅を整備していく」との方針を発表しているものと承知している。
・政府としては、被災自治体とも連携をした上で、こうした取り組みを全力で支援していく。
・より長期的には、災害公営住宅の整備についても手厚く支援をしていきたい。補助率のかさ上げで、家賃の減免などができるようにする。
④棚田・漁業の再生
〇近藤代議士
・能登は、日本で最初に、佐渡島と同時に世界農業遺産に認定された。
・今回の地震で、地形が変わってしまった。田んぼや山をつくり直す。海をつくる。個人ではどうしようもできない。
⇒地形をつくっていく、直していくのは、国の責務だと思う。総理のご見解をお願いします。
〇岸田総理
・能登の里山里海は、世界農業遺産として、地域の皆さんにとっての誇りである。その再生・復興は、被災された方々の励みになる。
・産業やなりわいの再生にもつながり、観光の需要の回復にも貢献する。
・ぜひ国としても、里山づくり、里海資源を生かした海業の振興。こうしたものをしっかりと応援していきたい。
⑤なりわい再建支援事業について
〇近藤代議士
・東日本大震災のときに、グループ補助金制度(なりわい補助金)ができた。中小企業の施設・設備の復旧・整備に、4分の3の補助が出る。今回は、激甚災害として、適用されるものと思う。
・地域の事業者の中には「補助金が出るのなら、一日も早く事業再開したい」との声がある。
・一方で、補助金が出るまでには、採択が必要。そのための申請もいる。さらには、県から国への復興事業計画の提出も求められている。
⇒補助金の採択前、申請前、あるいは復興事業計画の提出前でも、例えば今日からでも、事業再開に踏み出せば、遡及して支援をしてほしい。
〇岸田総理
・これまでの災害時でも、発災日に遡って補助金の対象とすることが可能とされてきた。今回もそのような対応を検討したい。
〇近藤代議士
・田んぼや海でのなりわいの再開は、すぐには難しいかもしれない。来年、再来年。海であれば4年後、5年後になるかもしれません。
⇒そうした場合でも、遡ってやっていただけるものだと理解している。ご答弁をお願いします。
〇岸田総理
・これまでの災害支援では、数年にわたり継続支援を行っている。長期にわたるとしても、しっかり対応できるよう国として支援を考えていく。
以上。